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更新:2009/9/6

百年後に漱石を読む表紙画像 百年後に漱石を読む

宮崎かすみ[著]
46判上製・367頁・定価2940円(税込)/2009年8月刊行/ISBN:978-4-901510-76-9

『それから』の三千代の顔色は、なぜ赤くなったり蒼くなったりするのか?
『門』の宗助が取り戻したかったものとは?『心』の三人にはなぜ名前がないのか?
『吾輩』が鼠を取らないと決心した訳は?迷亭はなぜ法螺ばかり吹くのか?
―百年後に残るのは自分のみと記した漱石に応えて、全く新しい読みを展開する文学批評の冒険。
テクストに即して読み解き、当時の文明、日本と西欧の関係が社会と個人にどのような葛藤をもたらしたかを、鮮やかに解剖し浮かび上がらせる。

[著者]宮崎 かすみ(ミヤザキ カスミ)
1961年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程中退。専攻、英文学・思想史。横浜国立大学を経て2009年4月より和光大学表現学部教授。編著書に『差異を生きる―アイデンティティの境界を問いなおす―』(明石書店)、訳書にアルベルト・メルッチ『現在に生きる遊牧民―新しい公共空間の創出に向けて―』(岩波書店、共訳)などがある。

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書評・紹介記事など
・東京新聞(2009.09.06・朝刊)著者インタビュー

関連情報リンク
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』:夏目漱石
東北大学付属図書館 夏目漱石ライブラリ

目次(下線部をクリックすると本文がご覧になれます)

T モナ・リザと吸血鬼 『それから』を循環する血と金

1 「宿命の女」
2 那美という形象
3 三千代の顔色
4 スパーマティック・エコノミー
5 白百合の香を嗅ぐ
6 禁じられた男性間エロス
7 神経衰弱と変質論
8 自慰の問題の核心
9 夢の中で逢う
10 愛するのは心か脳か

U エロスの変容 『門』のホモソーシャルな欲望

1 身体の近代化
2 泥棒のモチーフ
3 喪われた絆を求めて
4 宗助が盗んだもの
5 夜の冒険者たち
6 落魄の予感
7 他者としての女
8 現在を呪う過去

V もう一つの聖書物語 『心』における血の盟約

1 鮮烈な赤
2 なぜキリスト教なのか
3 血のメタファーの変転
4 ワイルドの「イエス論」
5 三人には名前がない
6 室内空間の構造
7 三角関係の解剖学
8 童話「漁師とその魂」
9 転倒する主体と客体
10 同性愛エロスの発動
11 Kの「復活」
12 名辞の彼方へ

W 作家の誕生 『吾輩は猫である』の虚と実

1 講義と実作の同時進行
2 苦沙弥の写生画はなぜ失敗したか
3 固有名の虚構の逆説
4 滑稽と諷刺の源泉
5 分身としての苦沙弥と迷亭
6 虚構とリアルの関係
7 危うく名付けられかけた猫
8 なぜ鼠を取らないのか
9 ファルスとしての博士号
10 鉄の男と山の芋
11 寒月の真意と両義性
12 禿を隠す女たち
13 衣服という記号
14 古井武右衛門君の艶書事件
15 夏目漱石の誕生

あとがき


本文より
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