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更新:2002/3/14
『生と死の日本思想−現代の死生観と中世仏教の思想』
著者紹介
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佐々木馨(ささき かおる) 1946年、秋田県生まれ。1975年、北海道大学大学院文学研究科博士課程中退。専攻、日本中世仏教史。現在、北海道教育大学教授・北海道教育大学附属函館小学校長(併任)。文学博士。 著書に『日蓮と「立正安国論」』(評論社)、『中世国家の宗教構造』『中世仏教と鎌倉幕府』(共に吉川弘文館)、『アイヌと「日本」―民族と宗教の北方史』(山川出版社)などがある。 |
| 著者からのメッセージ 本書の執筆動機をありていに言えば、見送りできなかった母の死にある。母の死後、続けざまに、六五歳を前後する長兄、長姉、次兄がこの世を去った。いまの時代、どうみても早すぎる肉親の死に、いつしか私は、人間にとっての「生と死」について少しずつ考えるようになった。 近年、私のこの内なる動機を一層かり立てる、いくつかの外なる動機が持ち上がった。 一つは、一九九七年の「臓器移植法」の制定と、これにもとづく「脳死」の問題である。この未曾有の問題について、私は門外漢ながら、出講先の看護学生と「哲学」の授業を通して、一緒に勉強する機会に恵まれた。このことが私を「生と死」の一大テーマにのめり込ませていった。 さらにもう一つ、外なる動機として、平成十二年四月から勤務先の北海道教育大学附属函館小学校長を併任したこともあるように思う。時として命の軽視が指摘されるなか、子供たちの無邪気で元気な顔を見るにつけ、幼な子たちの「いのち」の尊さを思わずにはおれない。 そんな中、『北海道新聞』の特集「死と向き合う」の記事が私の目にとび込んできた(平成十二年十一月二十二日付)。「子供の心に育て 恊カきる力の種掾vという見出しの記事が。 兵庫県家島町・坊勢小学校の西本義之教諭が『葉っぱのフレディ』を四年生の子供たちに朗読し、「命の尊さ」を伝えていると、報じられている。この授業実践をみて、私はレオナルド・ダ・ヴィンチの「十分に終わりのことを考えよ。まず最初に終わりを考慮せよ」の言葉を想い起こした。学校教育における「死の教育」である。 この内なる動機と外なる動機の相乗のもと、私は「生と死の日本思想」を、不備を覚悟で執筆することを決断した。 私たち人間にとって解答のない永遠のテーマに、私は無謀にもアタックしてみた。不備を覚悟とはいえ、何とか体裁だけは整えて世に送り出すことができたように思う。出来の悪い子ほどかわいいと、よく言われる。今回同じような気持ちで、私の分身を江湖に問うこととなった。忌憚のないご叱正を切にお願いしたい。 |
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