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『生と死の日本思想』佐々木馨
[著]

生と死の日本思想−現代の死生観と中世仏教の思想−

佐々木馨 

46判上製・240頁・本体2600円(税別)/2002年3月刊行 ISBN:4-901510-04-5

「無信仰の信仰」を背景とする、現代日本人の揺れ動く死生観の構造を4つのベクトルで解析。
個人の死を初めて真正面から取り上げた、親鸞・道元・日蓮ら中世新仏教の宗祖たちの、現世を越える死生観を論じる。

著者からのメッセージ 
本書の執筆動機をありていに言えば、見送りできなかった母の死にある。母の死後、続けざまに、六五歳を前後する長兄、長姉、次兄がこの世を去った。いまの時代、どうみても早すぎる肉親の死に、いつしか私は、人間にとっての「生と死」について少しずつ考えるようになった。
 近年、私のこの内なる動機を一層かり立てる、いくつかの外なる動機が持ち上がった。
 一つは、一九九七年の「臓器移植法」の制定と、これにもとづく「脳死」の問題である。この未曾有の問題について、私は門外漢ながら、出講先の看護学生と「哲学」の授業を通して、一緒に勉強する機会に恵まれた。このことが私を「生と死」の一大テーマにのめり込ませていった。more>>>


目次 (下線のあるタイトルをクリックすると本文の一部をご覧になれます。) 

プロローグ

第1部 現代日本人の宗教意識


第一章 日本は宗教の博物館

第二章 多重信仰の実態
 無信仰の信仰/日本的な信仰
第三章 天皇と神道、仏教と葬式 
 青年の宗教意識/葬式仏教/現世利益を求めて
第四章 なぜ「無信仰の信仰」か 
 「無信仰の信仰」の背景/心の貧困


第2部 現代人の死の見方
第一章 臨死体験
 宿命としての死/死の瞬間

第二章 新しい死 
 脳死/尊厳死/死生観の四つのベクトル
第三章 脳死・臓器移植をどう考えるか 
 臓器移植の10の実例/臓器移植の問題点/臓器移植をめぐる苦悩/アンケート調査から
第四章 文学と哲学をとおして 
 文学が語る死の世界/哲学から見た死
第五章 キューブラー・ロスと葉っぱのフレディ 
 通過儀礼としての死/死の五段階説/葉っぱのフレディの死生観

第六章 救済としての「あの世」      
 恐山信仰/神道における生と死/キリスト教の場合/初期仏教の死生観/最澄と空海

第七章 現代人の死のイメージと来世観  
 死のイメージ/現代人の来世観


第3部 中世新仏教の死生観
第一章 なぜ中世か 
 いま、なぜ中世か/中世に何を学ぶか

第二章 地獄と極楽 
 『往生要集』とは/地獄のようす/餓鬼道・畜生道・阿修羅道/人道・天道/極楽の世界


第三章 鎌倉新仏教の思想空間 
 新仏教の背景/新仏教の誕生/新仏教の意味


第四章 宗祖たちの死生観 
 念仏の聖者・法然/画期的な教え/信の念仏者・親鸞/親鸞の死生観
 遊行の捨聖・一遍 /独りの思想/法華の行者・日蓮/現在と未来の成仏
 臨済禅の行者・栄西/孤高の禅師・道元/生死の超克


第五章 死生観の転換 
 中世の死のイメージ/死生観の転換/室町時代の死生観/戦国期の死生観

エピローグ
 二人の僧侶/心のルネサンス/むすび

あとがき


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